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メインクエスト会話集(第3章)<引きつけ合うココロ>

1.はじめてのデート

  • コトミヲ
    (ハルシロ、コトミヲがチャボたちの近くで言い合っている)
    ねぇ! お願いよ、ハルシロ!
    ハルシロ
    イヤだねーーー!
    そんな所に行ったって、
    なーんにも面白いことないもん!
    (再び街中を駆け巡り、チャボたちのところへ戻ってくる)
    ロビン
    どうしたの? コトミヲ?
    コトミヲ
    聞いて、ロビン!
    ハルシロに貝殻を拾ってきてって
    お願いしてるのに、聞いてくれないの!
    ロビン
    貝殻を?
    コトミヲ
    うん。
    星の砂浜でしかとれない
    月の形をした貝殻が必要なの。
    ハルシロ
    ウララダケを採って来てくれたお礼に、
    ジェゼルにペンダントを
    作ってあげるんだってさー。
    ロビン
    あら、素敵じゃない。
    コトミヲはまだ病み上がりだし、
    行ってあげたら? ハルシロ。
    ハルシロ
    やーだよ。
    ハルシロ
    それにプレゼントにするなら
    なおさら自分で取りに行かなきゃ
    ココロがこもってないじゃんか。
    ブラウン
    おっ!
    ずいぶん大人びたことを
    言うようになったな! ハルシロ。
    マリー
    でも
    ハルシロの言うことにも
    一理あるわね。
    ハルシロ
    だろー? そんなもの、
    誰かに採って来てもらっても
    意味ないぜ。
    コトミヲ
    それも、
    そうだけど・・・・。
    ハルシロ
    それも!
    だーーーーーーい好きなジェゼルへの、
    トクベツな! プレゼントだろっ!?
    コトミヲ
    そ、そんな、
    だーーーーーーい好きってわけじゃあ・・・・。
    ロビン
    体調ももう良くなったみたいだし、
    自分で行ってみたら?
    コトミヲ。
    コトミヲ
    うん・・・・。
    でも、やっぱり
    ひとりじゃ不安だな・・・・。
    ブラウン
    それなら、チャボに
    お供してもらえばいいじゃないか。
    ヒマだろ? チャボ
    • 選択肢で「うん!」を選択する
      コトミヲ
      (チャボ:頷く)
      ありがとう!
      チャボが一緒なら、安心だわ。
      選択肢で「ヒマじゃない」を選択する
      ブラウン
      (チャボ:首を横に振る)
      なんだ? セピアに気を遣ってるのか?
      わかったよ。あいつには
      ナイショにしておいてやるから。
  • ブラウン
    よし、決まりだな!
    頼んだぞ、チャボ!
    ジェゼル
    コトミヲ、
    どこかに行くのかい?
    (ジェゼル登場)
    ハルシロ
    あっ!
    噂をすれば、なんとやらだ!
    コトミヲ
    うるさい! ハルシロ!
    ロビン
    ふふ。
    チャボとコトミヲが
    これから星の砂浜に行くのよ。
    ジェゼル
    星の砂浜?
    なんだかロマンチックな
    場所みたいだね。
    マリー
    キレイな砂浜よ。
    ジェゼルも連れて行ってあげたら?
    ジェゼル
    ボクも一緒に行っていいのかい?
    コトミヲ。
    コトミヲ
    えっ!?
    ジェ、ジェゼルも一緒に!?
    ブラウン
    おぉっ!
    そいつは手間が
    はぶけたじゃんか!
    ロビン
    いいんじゃない。
    ぜひ、ジェゼルも一緒に連れて行ってあげて。
    コトミヲ
    で、でも・・・・。
    ブラウン
    まぁまぁ。
    ジェゼル、浜辺に着いたら
    月の貝殻ってやつを一緒に探してやってくれよ。
    ジェゼル
    月の貝殻?
    ロビン
    三日月の形をしたキレイな貝殻よ。
    ジェゼル
    へぇ、わかったよ。
    じゃあ行こう、コトミヲ。
    チャボも。
    コトミヲ
    えっ!?
    え、えっと・・・・・・・・うん。
    (チャボ、コトミヲ、ジェゼルが街の外へ出ていく)
    ハルシロ
    あ~あ! なんか最近、みーんな
    ジェゼル、ジェゼルって
    そればっかだな!
    ブラウン
    いっちょまえにヤキモチか?
    お前だってジェゼルのこと、
    大好きだったじゃないか。
    マリー
    あっ、分かったー!
    コトミヲがジェゼルに取られそうで、不安なんだ!
    ハルシロ、かわいー!
    ハルシロ
    そ、そんなんじゃないやい!
    ブラウン
    妬くな妬くな、ハルシロ。
    でも、お前もまだまだ
    可愛いところがあるじゃないか。
    ハルシロ
    そんなんじゃないって
    言ってるだろー!
    ハルシロ
    街のやつらも、ちょっと前までは
    チャボひとりに
    頼りきってたクセに・・・・。
    マリー
    ハルシロも
    もうちょっと大きくなったら、
    すぐにみんな頼ってくれるわよ。
    ハルシロ
    ちぇーっ、今に見てろよー!
    おれだって、
    頼りになるとこ見せてやるからな!
    ロビン
    あせらないで、ハルシロ。
    もうすぐ、イヤと言うほど
    街作りのお手伝いをしてもらうから。
    ハルシロ
    おれだって鬼族の男なんだ!
    街作りなんかより、もっとデッカいことが
    できるってとこ、見せてやるっ!!
    (ハルシロ立ち去る)
    マリー
    あ~あ。
    ハルシロ、ヘソ曲げちゃった。
    ブラウン
    ほっとけよ。
    男は、ああいう時期を乗り越えて
    リッパに成長して行くもんなんだ。
    マリー
    なるほどね。
    つまりあんたには、ああいう時期が
    なかったってことね。
    ブラウン
    うるせー!
    俺のことこそ、ほっとけ!!

2.素直なキモチ

  • コトミヲ
    これが海?
    なんてキレイなんだろう・・・・。
    ジェゼル
    もしかして
    コトミヲは、海を見るのが
    初めてなのかい?
    コトミヲ
    うん。
    湖には行ったことがあるけど・・・・すごいね。
    海って、こんなに広いんだ。
    コトミヲ
    ・・・・あれ?
    なんでだろ・・・・
    悲しくないのに、涙があふれてくる・・・・。
    ジェゼル
    コトミヲは、すごく素直に
    感情を表せるんだね。
    コトミヲ
    だって、だって・・・・。
    どうしてこんな気持ちに
    なるんだろう・・・・。
    ジェゼル
    鬼族も、
    とても強い感情を
    持っている・・・・。
    ジェゼル
    ・・・・もしかすると、
    下界に置いてきたニーベルとは、
    感情を持ったニーベルたちなのか?
    コトミヲ
    ジェゼル・・・・。
    ジェゼル
    うん?
    なんだい、コトミヲ。
    コトミヲ
    ジェゼルは、
    本当はわたしたちの
    敵なんだよね?
    ジェゼル
    敵か・・・・。
    すでに懐かしく聞こえる響きだ。
    コトミヲ
    ニーベルのこと、
    おじぃちゃんから
    よく話は聞かされていたわ。
    ジェゼル
    今のボクらを、
    コトミヲのおじぃちゃんが見たら
    さぞかしお怒りだろう。
    コトミヲ
    わたしのツノにも
    ニーベルに対する憎しみは
    こめられているはずなのに・・・・
    コトミヲ
    ジェゼルに対して
    そんな感情なんか全然ない・・・・。
    ジェゼル
    ある日、突然
    憎しみが爆発するのかもしれないよ?
    コトミヲ
    ジェゼルに対してそんなこと、
    絶対にないわ!
    ジェゼル
    先のことは
    誰にもわからないだろう?
    コトミヲ
    ・・・・ジェゼルは
    いじわるなことを言うのね。
    ジェゼル
    いつ、どうなるか予測がつかない。
    キミたちが持つ感情というものは
    そういうものなんだろう?
    コトミヲ
    ・・・・ジェゼルが言っていることは難しくて
    わたしには、わからないわ。
    でも・・・・
    コトミヲ
    ジェゼルに信用して
    もらえないものなら、
    わたしは感情なんていらない。
    ジェゼル
    感情をコントロールするには
    時間と訓練が必要だ。
    だからキミたちは、扱いにくい存在なんだ。
    ジェゼル
    でもね、コトミヲ。
    キミたちのそういうところ、
    ボクは嫌いじゃない。
    コトミヲ
    ・・・・本当?
    ジェゼル
    こっちの世界に来てから
    ボクは「笑う」ことを覚えた。
    教えてくれたのはたぶん・・・・
    ジェゼル
    キミだよ、コトミヲ。
    コトミヲ
    ジェゼル・・・・。
    ジェゼル
    さぁ、月の貝殻を探しに行こう。
    コトミヲ。
    (ジェゼル、コトミヲが先に行ってしまう)

3.オジャマ?

  • ジェゼル
    月の貝殻・・・・
    なかなか見つからないね。
    コトミヲ
    うん・・・・珍しい形をしているから
    もっと簡単に見つかると
    思ってたんだけどなぁ。
    ジェゼル
    大丈夫、
    絶対に探してあげるよ。
    コトミヲ
    ありがとう、ジェゼル。
    でも、すぐに見つからなくて
    良かったかも。
    ジェゼル
    え?
    どうしてだい?
    コトミヲ
    ・・・・ジェゼルと、こうして
    海辺を歩いてることが楽しいから。
    ジェゼル
    ・・・・。
    目的を果たしていなくても
    ココロは満たされるものなのか・・・・。
    コトミヲ
    楽しみが次から次へと変わるように
    ココロも変わっちゃうものなのかも。
    ・・・・だとしたら、
    コトミヲ
    さっきジェゼルが言っていたように
    ニーベルへの憎しみの感情も
    突然やってきちゃうのかな・・・・。
    ジェゼル
    キミたちは、そうした
    ココロの変化に悩みながら
    成長していくんだろう?
    コトミヲ
    こんな風に悩むくらいなら
    わたし、成長なんてしたくないわ。
    ジェゼル
    それが、ニーベルたちの目指した
    感情に左右されない
    完璧なる生物の姿だよ。
    ジェゼル
    でもね、コトミヲ。
    ココロが変わることは、
    それほど悪いことではないのかもしれないよ。
    コトミヲ
    ・・・・そうなの?
    ジェゼル
    コトミヲと話していると
    完璧主義であるニーベルのボクも
    いろいろと考えさせられるよ。
    コトミヲ
    何が正しくて、
    何が間違っているのか・・・・。
    なんか、わからなくなっちゃうね。
    ジェゼル
    そうだね。
    ・・・・少し、話が長くなってしまったな。
    さぁ、貝殻を探そう。コトミヲ。
    コトミヲ
    うん。
    ジェゼルが疲れちゃう前に
    見つけなきゃ。
    ジェゼル
    ボクが疲れたら、チャボが
    きっと見つけてくれるよ。
    そうだろう? チャボ。
    • 選択肢で「もちろん!」を選択する
      ジェゼル
      (チャボ:頷く)
      ありがとう。
      今のキミなら、そう言ってくれると思ったよ。
      選択肢で「なんか、ぼく邪魔?」を選択する
      コトミヲ
      (チャボ:首をかしげる)
      邪魔なわけないじゃない!
      ジェゼル
      そうだよ、チャボ。
      悔しいけれど、何かあったときに
      ボクではコトミヲを助けられないかもしれない。
      コトミヲ
      いつも頼ってばかりで、ゴメンなさい。
      チャボ。
  • ジェゼル
    もう少し先の浜辺に行ってみよう、
    コトミヲ。
    コトミヲ
    うん!
    (ジェゼル、コトミヲが先に行ってしまうと、
    チャボは首をかしげる)

4.ココロは波のように

  • コトミヲ
    どこまで行っても
    景色が変わらないなんて・・・・。
    海って、本当に大きいのね・・・・。
    ジェゼル
    ・・・・。
    コトミヲ
    どうしたの、ジェゼル?
    なんだか寂しそうな顔をしているわ。
    ジェゼル
    そうかい?
    これでも楽しいんだけどね、
    今はとても・・・・
    ジャズー
    海のバカ野郎ーーーーっ!
    (チャボたちから少し離れたところで
    ジャズーが叫んでいる)
    ジャズー
    ・・・・と、まぁ。
    ココロの中は、こんな気持ちかな?
    ジェゼルよ。
    (ジャズーがチャボたちのところへ来る)
    コトミヲ
    あなたは・・・・。
    ジェゼル
    キミか、ジャズー。
    ジャズー
    少々、心境に変化があらわれた・・・・
    という顔をしとるの?
    ジェゼル
    ココロは常に変わるのが
    ヒトというものだ。
    だからヒトは、その波に苦悩する。
    ジャズー
    ニーベルのロから
    よもや、そのような言葉が出るとはな。
    ジャズー
    もう、解放されたら良いではないか、
    ジェゼルよ。
    ジェゼル
    ・・・・今から、
    少しは父の話を聞けるくらい
    耳が養われているかもしれないね。
    コトミヲ
    ジェゼルの、お父さん?
    ジェゼル
    父とはちょっと、
    親子げんかをしているんだ。
    ジャズー
    ここにおれば、
    いずれクフ様と会う機会も
    あるかもしれんぞ。
    ジェゼル
    父は、神であること・・・・
    ニーベルの誇りを捨てた男だ。
    ジャズー
    そこのゴブリンの娘っ子も
    レッドキャップと他種族との
    混血種じゃぞ。
    ジャズー
    ニーベルも、
    そろそろ、そのくだらん血統を
    捨てても良い頃ではないかな。
    ジェゼル
    それは、ボクごときが
    判断するべきことではないよ。
    ジェゼル
    行こう。
    コトミヲ、チャボ。
    (チャボたちが先に行ってしまう)
    ジャズー
    信念の固さは、父親ゆずりじゃな。
    クフ様が望むことは、おぬしの幸せだけじゃぞ。
    ジェゼルよ・・・・。

5.ジェゼルの目的

  • コトミヲ
    ねえ、ジェゼル・・・・。
    ジェゼル
    なんだい?
    コトミヲ。
    コトミヲ
    もしかして、ジェゼルは・・・・
    鬼族を滅ぼす為に
    ここへやって来たの?
    ジェゼル
    ・・・・。
    さっきの、ジャズーの話かい?
    コトミヲ
    ・・・・。
    ジェゼル
    ・・・・キミたちには
    すべてを話しておこうか。
    ジェゼル
    ボクがここに来た目的はね、
    鬼族・・・・いや、エグリアに住む
    すべての者たちを一掃するためなんだよ。
    コトミヲ
    そ、そんな・・・・。
    ジェゼル
    すまない。
    驚かせてしまったね。
    でも、コトミヲには嘘をつきたくない。
    コトミヲ
    ・・・・大丈夫よ。
    少し、ビックリしただけ。
    コトミヲ
    本当のことを話してくれてありがとう。
    ジェゼル・・・・
    コトミヲ
    でも・・・・わたしはどうなってもいいけど、
    ハルシロだけは助けて欲しいの。
    できれば、街のみんなも・・・・。
    ジェゼル
    ・・・・ボクも毎晩、
    そのことばかり考えているよ。
    ジェゼル
    ボクは、どうするべきなのか・・・・。
    チャボ、
    キミは、どうしたらいいと思う?
    • 選択肢で「好きにしたらいい」を選択する
      ジェゼル
      (チャボ:説明する仕草)
      ・・・・キミには
      ボクらの行く末が見えているのかな。
      選択肢で「エグリアは、ぼくが守る」を選択する
      ジェゼル
      (チャボ:頷く)
      ただの殺りくではなく、誰かのために
      戦うレッドキャップか・・・・。
      ニーベルのデータには無いことだね。
  • ジェゼル
    ツノは折れても、誇り高きレッドキャップだ。
    ボクが任務を遂行することになったら
    キミとの争いは避けられないのか・・・・。
    コトミヲ
    どうして、
    ジェゼルとわたしたちは
    敵同士なのかな・・・・。
    ジェゼル
    そんなに悲しそうな顔をしないでくれ、
    コトミヲ。
    ジェゼル
    ボクも同じことを、
    ずっと考えているんだ。
    ジェゼル
    けれど、答えが見つからないわけじゃない。
    かならず何か、良い解決策があるはずさ。
    だから、もう泣かないでくれ。
    コトミヲ
    ・・・・うん。
    ありがとう、ジェゼル。

6.目的を果たす過程

  • ジェゼル
    せっかくの素晴らしい景色なのに・・・・
    コトミヲはすっかり元気を
    無くしてしまったね・・・・。
    コトミヲ
    ・・・・ごめんなさい。
    ジェゼル
    謝る必要はないさ。
    コトミヲが悲しむような真実を、
    伝えたのはボクなんだから。
    コトミヲ
    ハルシロには
    なんて伝えたらいいんだろう・・・・。
    ジェゼル
    ・・・・ん?
    ジェゼル
    コトミヲ。
    月の貝殻って、
    これじゃないかい?
    コトミヲ
    それだわ!
    月の貝殻・・・・うん、間違いない。
    ありがとう、ジェゼル!
    コトミヲ
    でも・・・・
    なんでこんなときに
    見つかっちゃうんだろう。
    ジェゼル
    目的を果たすことは、
    あくまでも過程だってことさ。
    ジェゼル
    もう少し浜辺を歩こうか、コトミヲ。
    せめて、キミのココロが落ち着くまで。

7.ふたりのセカイ

  • コトミヲ
    ジェゼル・・・・。
    ジェゼル
    ん?
    何だい? コトミヲ。
    コトミヲ
    あのね・・・・これ・・・・。
    ジェゼル
    ・・・・それは・・・・
    ペンダント?
    コトミヲ
    私のために、ウララダケを
    採って来てくれたでしょ?
    そのお礼が、したくて・・・・。
    ジェゼル
    ペンダントを作るために
    月の貝殻を探していたのかい?
    コトミヲ
    うん・・・・。
    結局、ジェゼルが
    見つけちゃったけど・・・・。
    ジェゼル
    そうだったのか・・・・。
    ジェゼル
    ありがとう、コトミヲ。
    よければ
    キミが、かけてくれるかい?
    コトミヲ
    えっ・・・・?
    ・・・・うん。
    (コトミヲがジェゼルにペンダントをかけてあげる)
    コトミヲ
    わぁ・・・・。
    とっても似合ってるわ、ジェゼル。
    ジェゼル
    ありがとう、コトミヲ。
    大切にするよ。
    コトミヲ
    ・・・・嬉しい。
    ジェゼル
    うん。
    ジェゼル
    やっと笑顔が戻ったみたいだね。
    そろそろ、ボクらの街へ帰ろうか。
    コトミヲ
    ええ。帰りましょう。
    みんなが待っているあの街へ。
    チャボが少し離れた場所で二人のやり取りを
    見届けた後、その場を立ち去る

8.愛おしいモノたち

  • ハルシロ
    (ジェゼル、コトミヲがロビンたちのもとへ帰ってくる)
    おかえりー!
    コトミヲ、ジェゼル!
    月の貝殻は見つかったのか!?
    ジェゼル
    ああ。
    これがそうだよ。
    ロビン
    ステキよ、ジェゼル。
    とっても似合ってるわ。
    ロビン
    よかったわね、コトミヲ。
    コトミヲ
    う、うん・・・・。
    ハルシロ
    どうしたんだよー?
    せっかくジェゼルに
    ラブラブのプレゼントができたってのにさー。
    コトミヲ
    ラ、ラブラブって・・・・
    これは・・・・そんなんじゃ・・・・。
    ハルシロ
    とにかく、
    これでセピアよりもリードしたな。
    やったぜ、コトミヲ!
    コトミヲ
    な、何を言っているの!?
    セピアとは
    何も張り合ってなんかいないわよ!
    ハルシロ
    いーから! いーから!
    がんばれ、コトミヲー!!
    コトミヲ
    もうっ!
    そんなんじゃないって言ってるでしょ!
    待ちなさい、ハルシロー!
    ハルシロ、コトミヲが街中を駆け巡ると、
    チャボが心配そうに二人を追う
    ジェゼル
    ロビン・・・・
    少し、いいかな。
    ロビン
    ええ。
    いくらでも付き合うわ。
    ジェゼル
    ・・・・この世界の種族は
    良くも悪くも、みな個性豊かだ。
    ロビン
    あなたたちニーベルからは、
    扱いづらくて
    嫌われるタイプでしょうね。
    ジェゼル
    そうだね。
    だから、失敗作なんだ。
    ジェゼル
    目的の為に創られし種は、
    その目的を
    実直にこなすだけで良い。
    ロビン
    そうね。正しいと思う。
    私も、トマトの種を植えたのに
    リンゴが成ったら困るわ。
    ジェゼル
    個性や趣向というモノは、
    ニーベルが
    もっとも嫌悪する存在なんだ。
    ジェゼル
    でも・・・・
    この世界のひとびとは
    意外と、愛おしいよ。
    ロビン
    あなたの・・・・
    ニーベルのロから
    そんなセリフが出てくるなんてね。
    ジェゼル
    ボクも困ってるんだ。
    エルフのキミと、
    意見が合ってしまうのはね。
    ロビン
    一生悩んだままっていうのも、
    悪くはないんじゃないかしら。
    ジェゼル
    彼らと同じ道を生きる、か・・・・。
    でも、ボクにはやらなくてはならない
    責務がある。
    ロビン
    簡単に捨てられる
    責任じゃないことは分かってるの。
    それでも・・・・
    ロビン
    それでも。
    あなたが、その責務を放棄してくれたらって・・・・
    きっとみんなも、そう望んでいるわ。
    ジェゼル
    そうだね。
    それができるなら、どんなに楽か・・・・。
    ジェゼル
    ボクには
    あとどのくらい、
    悩む時間があるのかな・・・・。