メインクエスト会話集(第3章)<引き裂かれた種族>
1.オーガが生まれる泉
-
- マリー
- ロビン、最近よく遠くを見てるね。
何かあった?
- ロビン
- そう? ・・・・そうかもね。
毎日があまりに楽しく過ぎ去るものだから、
不安になってるのかも。
- マリー
- ロビンは今、
毎日が楽しいんだ?
- ロビン
- ええ。
だって、夢に描いていた以上の
ステキな街が出来上がってきているんだもの。
- マリー
- そうだね。
この街を前のエグリアみたいに
しないよう、ガンバろ!
- ハルシロ
- (ハルシロ登場)
ロビンー!
ちょっと聞いてくれよーっ!
- ロビン
- どうしたの? ハルシロ。
- ハルシロ
- ウチャウチャの森の奥にさ、
「鬼神の泉」っていう
場所があって・・・・
- ハルシロ
- その泉から、オーガが生まれるって
言い伝えがあるんだー!
- ロビン
- へえ。
なんだか夢のある話ね。
- マリー
- 現れるのがオーガってところが
ひっかかるけど。
- ハルシロ
- おれ、確かめに行きたいんだよ!
でもさー、コトミヲが危ないからって
行くのを許してくれないんだー。
- コトミヲ
- 当たり前でしょう。
それに、その話がもし本当だったら
ここもとっくにオーガに襲われてるわよ。
(コトミヲ、チャボ登場)
- ハルシロ
- コトミヲは知らないんだよなー。
オーガの中には正義のオーガ、
「スーパーオーガ」ってのがいるんだ!
- ハルシロ
- オーガだからって、
悪い奴ばっかじゃないんだぞー!
- ジェゼル
- オーガが生まれる泉か・・・・
面白いね、その話。
(ジェゼル登場)
- ロビン
- ジェゼル・・・・。
- ジェゼル
- ウチャウチャの森・・・・
ボクと行ってみようか?
ハルシロ。
- ハルシロ
- 本当にっ!?
だからジェゼルのこと、
大好きなんだよー!
- ジェゼル
- ボクも一緒ならいいだろう?
コトミヲ。
- コトミヲ
- で、でもぉ・・・・
本当にオーガが現れたりしたら・・・・。
- ジェゼル
- ははは。
大丈夫、ただの迷信だよ。
- ハルシロ
- そいつを確かめに行くんじゃないか!
なっ、ジェゼル!
- ジェゼル
- あぁ。でも、そんなに心配なら
用心棒として彼にも来てもらおう。
いいだろう? チャボ。
-
選択肢で「うん」を選択する
- ハルシロ
- (チャボ:頷く)
さっすがレッドキャップ!
一緒に行こうぜ!
選択肢で「面倒くさい」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:首を横に振る)
そんなことを言っていても、
キミは来てくれる。
そういう人さ。
-
- ジェゼル
- よし、行こう。ハルシロ。
- ハルシロ
- おーう!
- コトミヲ
- 気をつけて行ってくるのよ、ハルシロ。
ジェゼルたちの言うこと
ちゃんと聞いてね。
- ジェゼル
- ボクが一緒についているから
安心して、コトミヲ。
(チャボ、ハルシロ、ジェゼルが街の外へ出ていく)
- マリー
- ハルシロってば、完全に
ジェゼルに懐いちゃってるね。
- コトミヲ
- ハルシロ・・・・。
きっと、お兄ちゃんが
欲しかったのね。
- ロビン
- あのふたりを見ていると・・・・
ニーベルと鬼族も、いつかきっと
解り合える日が来る気がする・・・・。
- マリー
- え?
ロビン、今なんて?
- ロビン
- ううん、何でもないわ。
2.ハルシロの可能性
-
- ジェゼル
- ここがウチャウチャの森か・・・・。
- ハルシロ
- 鬼神の泉は、この奥だよ!
でも、ここから先は
おれも行ったことないんだ。
- ジェゼル
- ハルシロは、
オーガに会いたいのかい?
- ハルシロ
- まあね!
・・・・でもおれ、本当はオーガになりたかったんだ。
1本ツノだから、なれなかったけどさ。
- ジェゼル
- ハルシロたち・・・・
1本ツノのゴブリンは、混血種だからね。
- ジェゼル
- でも、鬼族の血が混ざっているなら
ニーベルエッグを解放することは
できるんじゃないかな。
- ハルシロ
- えっ!? 本当にっ!?
おれにも
ニーベルエッグ割れるの!?
- ジェゼル
- ああ。
混血とはいえ、ハルシロも鬼族だ。
きっとできるはずさ。
- ハルシロ
- そうだったのかー!
おれも、チャボみたいに
封印された世界を解放できるのかー!
- ハルシロ
- よぉ~~しっ!
今度ニーベルエッグを見つけたら
おれが割ってみよーっ!
- ジェゼル
- うん、いいんじゃないかな。
(チャボ:頷く)
- ハルシロ
- なんだか、オーガになれなくても
勇者~って感じがしてきたぜーっ!
- ハルシロ
- 鬼神の泉を目指して行くぞー!
チャボ! ジェゼル!
(ハルシロが先に行ってしまう)
3.鬼族のイメージ
-
- ジェゼル
- ねぇ、チャボ。
- ジェゼル
- もし鬼神の泉が本当にあって、
そこからオーガが生まれてきたら、
キミは一体どうする?
-
選択肢で「倒す」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:説明する仕草)
元は仲間なのに倒すのか・・・・。
キミはツノと一緒にレッドキャップの
誇りまで一緒に捨ててしまったんだね。
選択肢で「仲良くなる」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:両手を上げて賛同のポーズ)
ココロを持たないオーガと?
意外と理想論を語る人なんだね。
選択肢で「街で一緒に暮らす」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:説明する仕草)
街でオーガと一緒に暮らす、か・・・・。
今のキミたちに、歓迎できない種族は
いないのかもしれないな。
-
- ハルシロ
- おれは・・・・
オーガの中にもきっと、
いいオーガはいると思っているんだ。
- ジェゼル
- さっき言っていた
スーパーオーガとやらかい?
- ハルシロ
- おれのオヤジが
昔、オーガに助けられたっていうんだ。
だからお前も、そんな鬼になれって。
- ジェゼル
- まぁ、かくいうボクも
残虐なレッドキャップ族に
助けられたわけだけど・・・・。
- ハルシロ
- おれも最初は
種族で差別してたとこがあったけど・・・・。
あの街に来てみて、分かったんだ。
- ハルシロ
- どんな種族にも
いいヤツ、悪いヤツはいるんだって。
- ハルシロ
- シャモーも・・・・
きっといい戦士だったんだ。
- ジェゼル
- シャモー!?
ハルシロはシャモーに
会ったことがあるのかい!?
- ハルシロ
- せっかく会えると思ったときには、
もうチャボに倒されてたよ・・・・。
- ジェゼル
- え?
チャボ、
キミがシャモーを倒したって?
-
選択肢で「はい」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:頷く)
まさかキミが、
あのシャモーを・・・・。
選択肢で「いいえ」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:首を横に振る)
・・・・認めたくないんだね。
でも、あのときのシャモーは
キミの実力を認めていたよ。
選択肢で「オーガのツノを折っただけ」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:説明する仕草)
オーガのツノを折るってことは、
そのオーガの自我を
破壊したも同然さ。
-
- ジェゼル
- そうか・・・・あのレッドキャップ、
シャモーは死んだのか・・・・。
それも、チャボが倒したとは・・・・。
- ジェゼル
- ボクの知らないところで
想像もつかないことが
起こっていたんだな・・・・。
- ハルシロ
- でもっ!
シャモーは、いつまでも
おれのココロの中で生きてるぜ!
- ジェゼル
- ・・・・ハルシロは、
シャモーに憧れていたんだね。
- ハルシロ
- ああ! おれが一番アコガレてる戦士さ!
シャモーは、おれたち鬼族の
ヒーローなんだ!
- ジェゼル
- ヒーロー、か・・・・。
いい響きだ。
- ジェゼル
- 歴史として聞かされていた
鬼族のイメージ・・・・。
少し、違うな。
- ハルシロ
- ジェゼル?
- ジェゼル
- なんでもないよ。
さぁ、先に進もうか。
(チャボ:頷く)
4.ニーベルとピクシー
-
- ハルシロ
- ねぇ、ジェゼル。
ジェゼルも、前におれたちがいた
あの世界から来たんだろ?
- ジェゼル
- ああ、そうだよ。
- ハルシロ
- 元の世界に帰りたいか?
- ジェゼル
- ボクはもう、
あっちの世界には
帰れないんだ。
- ハルシロ
- そうなの?
じゃあ、ずっと
こっちの世界にいるんだな!?
- ジェゼル
- ・・・・そういうことに、なるのかな。
- ハルシロ
- よっしゃー、やったぜ!
- ドラガン
- (ドラガン登場)
おや。
チャボさんに、ハルシロさん。
こんな森の奥に、何か用事ですか?
- ハルシロ
- あっ、ドラガン!
おれたち、鬼神の泉を探してるんだ!
- ドラガン
- 鬼神の泉?
あんな所へ何をしに・・・・。
ん?
- ドラガン
- 失礼ながらもしかして・・・・
アナタはニーベルでは?
- ジェゼル
- さすがは博識なピクシーだね。
そう。
ボクは、ニーベルのジェゼルだ。
- ドラガン
- やはりそうでしたか!
アナタを見て、すぐにピンときましたよ!
- ハルシロ
- ニーベル?
ジェゼルは、ニーベルなのか?
- ジェゼル
- そう、ボクはニーベル。
鬼族の宿敵にして、
人によっては「神」とも呼ばれている。
-
選択肢で「神様だって?」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:首をかしげる)
創造主は、いつの時代もそう呼ばれる。
必然だと思わないかい?
選択肢で「ぼくのほうが神だ」を選択する
- ジェゼル
- (チャボ:ジェゼルに何かを訴えている仕草)
話がこんがらがってしまうよ。
あとで聞くから、
今はおとなしくしていてほしいな。
選択肢で「・・・・・・・・」を選択する
- ジェゼル
- 何か思うところがある瞳だね。
ならばキミは、ボクをなんと呼ぶ?
-
- ハルシロ
- ・・・・・・・・。
- ジェゼル
- 霧の世界と下界の狭間に生きる
ピクシーまでもが
エグリアに来ているとは、驚いたな。
- ドラガン
- えぇ。長い間、アナタがたの・・・・
ニーベルの空中庭園の番を
していましたが・・・・
- ドラガン
- ある日、彼らに
「一緒に暮らさないか」と
誘われまして・・・・。
- ジェゼル
- そうだったんだね。
でも、もうこっちの世界にニーベルはいない。
好きに暮らすがいいよ。
- ドラガン
- なぜ、ジェゼルさまは
こちらの世界に?
- ジェゼル
- いろいろと調べ物をしたね。
- ハルシロ
- ・・・・ジェゼルが・・・・ニーベル・・・・。
シャモーが恨んでいた・・・・
・・・・ニーベル・・・・・・・・。
- ジェゼル
- シャモー、か・・・・。
彼とも、いろいろあった。
- ハルシロ
- シャモーと何があったんだ!?
教えてくれよ、ジェゼル!
- ジェゼル
- レッドキャップのツノには
先祖代々引き継がれたニーベルへの
憎しみが詰まっているんだ。
- ジェゼル
- 何があったとか言うわけでもなく、
レッドキャップは母体にいる時から
ニーベルを恨んで生まれてくる。
- ハルシロ
- おれは・・・・
おれは、ジェゼルを見ても
憎しみなんて湧いてこないよ。
- ジェゼル
- それはきっと、
純血種と混血種の違いなのかもしれない。
- ジェゼル
- ドラガンと言ったね?
これからよろしく頼むよ。
- ドラガン
- は、はい! ジェゼルさま!
みなさん、確か鬼神の泉に向かっているとか?
なら、ボクが道案内しましょう!
- ジェゼル
- ありがとう、ドラガン。
(ドラガンが奥へ進む)
- ハルシロ
- ジェゼルがニーベル・・・・
おれたちの敵だったなんて・・・・。
なんか、フクザツな気分だ。
- ジェゼル
- なら、ハルシロも
シャモーの敵だったボクを憎むがいいよ。
- ハルシロ
- そんなこと、できないよ・・・・。
- ハルシロ
- シャモーはきっと・・・・
ニーベルの中にも
いい奴がいるって知らなかったんだ・・・・。
- ジェゼル
- ・・・・・・・・。
- ドラガン
- さぁ、
鬼神の泉はこっちですよ。
みなさん、ついて来てください。
(ジェゼルが先に行ってしまう)
5.大地を開放する者たち
-
- ドラガン
- ジェゼルさま、
つかぬことをお聞きしても
よろしいですか?
- ジェゼル
- ボクに答えられることなら。
- ドラガン
- ニーベルたちはみな、
大地を卵に封印することが
できるのですか?
- ジェゼル
- 解放することは誰でもできるけれど
封印するのは、ニーベルでも
ある程度の訓練が必要なんだ。
- ジェゼル
- 残念ながら、ボクにもできない。
父への反発という意味もあって、
そういう訓練は受けなかったんだ。
- ハルシロ
- へっへっへ・・・・。
実はなぁ、ドラガン・・・・。
- ドラガン
- ・・・・なんですか?
変にもったいつけて。
- ハルシロ
- 実はおれも、ニーベルエッグを
解放できるんだぜーっ!
- ドラガン
- えっ?
ハルシロさんもニーベルエッグを
割れるんですか?
- ジェゼル
- おそらくね。混血種のゴブリンでも、
鬼族の血は流れているから
きっと割れるはずだよ。
- ドラガン
- ということは
今、この世界で
ニーベルエッグを割れるのは・・・・
- ドラガン
- チャボさんと、
コトミヲさん、ハルシロさん、
そしてジェゼルさまの4人というわけですね。
- ハルシロ
- そういうわけさっ!
- ハルシロ
- チャボ、
今度ニーベルエッグが見つかったら、
おれが割るからなー!
-
選択肢で「はい・・・・」を選択する
- ハルシロ
- (チャボ:頷く)
ひょっとして、割れないと思ってるな?
よぉ~し!
チャボより、カッコよく割ってやる!
選択肢で「いいえ」を選択する
- ハルシロ
- (チャボ:首を横に振る)
チャボは、もういーーっぱい
解放したんだろー!
ひとつくらい、いいじゃないかー!
-
- ドラガン
- そういえば、ハルシロさん。
最近までチャボさんのことを、
「先生」と呼んでいませんでした?
- ハルシロ
- ああ、でももうやめたよ。
やっぱりどう見てもチャボって
先生って感じじゃないんだよなー!
- ハルシロ
- シャモーを倒したって聞いたから
つい先生って呼んじゃったけど、
チャボには似合わないよ。
- ドラガン
- まぁ、
分からないでもないですけど・・・・。
- ハルシロ
- それに、おれもニーベルエッグを割れるなら
チャボとそれほど
能力に大差ないだろ?
- ジェゼル
- そんなにハルシロは、
ニーベルエッグを割ってみたいのかい?
- ハルシロ
- 当たり前じゃんかー!
街のやつらはニーベルエッグを割れる
チャボをヒーロー扱いなんだ!
- ハルシロ
- だから、「おれにもニーベルエッグが
割れるんだぞ!」ってところを
みんなに見せてやりたいんだー!
- ジェゼル
- 実はね、ハルシロ。
ボクもニーベルエッグをひとつ
持っているんだ。
- ハルシロ
- えっ!?
それ本当か、ジェゼルッ!?
ならそれ、おれに割らせてくれよーーーっ!
- ジェゼル
- ああ。
もし割るときが来たら・・・・
そのときはハルシロにお願いするよ。
- ハルシロ
- やったー!
約束だぞ、ジェゼルッ!!
- ドラガン
- 良かったですね、ハルシロさん。
6.ココロガマエ
-
- ドラガン
- 鬼神の泉はもうすぐですよ。
- ハルシロ
- なんかドキドキしてきた・・・・。
- ジェゼル
- オーガが生まれる泉か・・・・。
本当にそんなものがあるのか、見物だな。
- ドラガン
- さぁ、行きましょうみなさん!
- ハルシロ
- お、おうっ!
- ハルシロ
- (チャボ、ジェゼル、ドラガンが首をかしげる)
・・・・っ、チャボ~!
先に行ってくれよー!
- ジェゼル
- ははは。
意外と臆病なんだな、ハルシロは。
- ハルシロ
- そんなんじゃないよっ!
泉に着くまでに
何か出て来たら困るだろ!
- ジェゼル
- すべての鬼族が皆、好戦的とは
限らないようだね・・・・。
- ジェゼル
- 一本ツノのゴブリンは、
他の種族の血が混ざっている。
・・・・もっとも理想的な種族かもしれないな。
- ハルシロ
- よ、よーし。
行くぞーーー!
- ハルシロ
- ・・・・チャボ。
(チャボが首をかしげると、
ハルシロがチャボの背中を押して奥へと進む)
7.伝説ってそういうもの
-
- ドラガン
- みなさん、着きましたよ。
ここが鬼神の泉です。
- ハルシロ
- こ、これが・・・・
鬼神の泉ぃ?
- ドラガン
- そうです。
これが鬼神の泉ですよ。
- ハルシロ
- こんな小さな水たまりから
あんなにデッカいオーガが
生まれてくるのか!?
- ドラガン
- オーガが「生まれてくる」?
- ハルシロ
- そうさ!
ゴブリン族の間じゃ、鬼神の泉には
そういう言い伝えがあるんだぜ!
- ドラガン
- ・・・・初耳ですね。
確か、ボクの記憶では・・・・
- ドラガン
- この水たまりで
オーガが水を飲んだことから、
鬼神の泉と呼ばれるようになったとか・・・・。
- ハルシロ
- ぇえーっ!?
なんだってー!?
- ジェゼル
- はははは。
伝説という類は、
だいたいそういうものさ。
- ハルシロ
- 鬼神の泉が、
ただのオーガの水飲み場だったなんて・・・・。
- ドラガン
- ハルシロさんたちが
なんで、こんな水たまりを探しているのか、
不思議だったんですよね。
- ハルシロ
- もっと早く言ってくれよ~・・・・。
- ドラガン
- 何はともあれ、
これで目標達成ですよね。
みんなで街に帰りましょう!
(チャボ、ドラガンが片手を上げる。
ハルシロは首を横に振る。
ジェゼルは頷く)
8.本心
-
- ロビン
- (ロビンがジェゼルのところへ来る)
ニーベルだってこと、
みんなに話したようね。
- ジェゼル
- ロビン・・・・。
ああ、話したよ。
- ジェゼル
- でもこの街の人はみな、
ニーベルがどういう存在なのか
あまり理解していないようだ。
- ロビン
- レッドキャップのように、
祖先からの記憶を引きずっている
種族はいないわ。
- ジェゼル
- 彼らは、
創造主であるニーベルのボクに
もっとへつらうべきだ。
- ジェゼル
- ・・・・そして鬼族は
ボクを見たら、すぐにノドを切り裂きに
飛びかかるべきなんだ・・・・。
- ロビン
- ジェゼル?
- ジェゼル
- この街の住人たちは
本当に不完全な、出来損ないばかりだよ。
- ロビン
- そうね・・・・。
完璧なる種族のニーベルから見たら
もどかしいでしょうね。
- ジェゼル
- 今のボクの本心を話そうか、ロビン。
- ロビン
- 本心?
- ジェゼル
- ・・・・彼らと出会う前に
さっさと使命を果たしておくんだった、と
とても後悔しているよ。
- ロビン
- ジェゼル・・・・・。
- ジェゼル
- すぐに行動に移せなかったボクは、
ニーベルの中では
不完全な落ちこぼれのようだ・・・・。
- ロビン
- そんなことないわ。
あなたがこの街にずっといてくれたら、
みんなきっと喜ぶわ。
- ジェゼル
- 不完全な生物は、ひとつでも多くの
個体と群れようとする。
少しでも、補完し合うために。
- ジェゼル
- でも・・・・
それは思っていた程
心地悪いものではないようだよ。
- ロビン
- 異種族の平等なる共存が、
お父様が目指していた理想郷ですもの。
- ジェゼル
- しかし、その共存共栄は
いつかニーベルにとって、
脅威となる可能性がある。
- ロビン
- ニーベルが神で居続けたいのなら・・・・
そうでしょうね。
- ジェゼル
- ボクはニーベルだ。
たとえ何があろうと、
ボクの気持ちは変わらないよ、ロビン。
- ジェゼル
- それに・・・・帰り道を持たないボクに、
ついて来てくれた者たちを
裏切ることもできない・・・・。
- ロビン
- 私も、この愛する街を守る。
この気持ちは変わらないわ、ジェゼル。
- ジェゼル
- 今さらエルフを説得するなんて、
不毛なことをするつもりはないよ。
だから・・・・
- ハルシロ
- ジェゼルー!
ロビンー!
(ハルシロ、チャボがロビンのもとへ駆け寄る)
- ハルシロ
- コトミヲが・・・・
コトミヲが、大変なんだー!
- ジェゼル
- コトミヲが? どうしたんだい?
- ハルシロ
- 家に戻ったら、コトミヲが倒れてて・・・・!
すごい熱なんだ!!
- ハルシロ
- また熱を出すなんて・・・・
まだ治ってなかったのかな・・・・。
コトミヲ、死んじゃうのか・・・・?
- ロビン
- ハルシロ、落ち着いて。
ゆっくり休めば、大丈夫よ。
- ハルシロ
- でも・・・・でも、
前よりも苦しそうだし、
こんな頻繁に具合が悪くなるなんて・・・・っ!
- ジェゼル
- 大丈夫だよ、ハルシロ。
- ハルシロ
- ・・・・えっ?
- ジェゼル
- コトミヲはボクが必ず助ける。
- ロビン
- ジェゼル・・・・・?
- ジェゼル
- コトミヲには助けられたからね、
今度はボクがコトミヲを助ける番だ。
- ハルシロ
- ジェ、ジェゼル~っ!!
- ロビン
- ほら、強い子はもう泣かないの。
チャボ、ハルシロを連れて
みんなを呼んできてくれる?
(チャボが頷き、ハルシロに話しかける)
- ハルシロ
- グスン・・・・グスン・・・・。
(チャボ、ハルシロ立ち去る)
- ロビン
- ジェゼル・・・・ありがとう。
- ジェゼル
- この世界の全てに対して、
借りを作っておきたくないだけさ。
(ジェゼル立ち去る)